社会で活躍するOBの紹介

社会で活躍している、あるいは活躍された卒業生(同窓会会員)を紹介したいと思います。
不定期に取材した方々を順不同でご紹介いたします。取材者の主観が入りますがご了承ください。
なお、文面に間違いや、掲載に差しさわりがあるものがあれば、問い合わせフォームより、ご連絡下さい。

株式会社 新正堂 代表取締役 渡辺 仁久氏

 滝高校卒業後、大学中退。デザイン研究所に3年通った後、父親が倒れて実家の日めくりカレンダー屋を3年。(愛知県江南市にて)
その後、和菓子屋娘の奥様が3姉妹の長女であったため、(自分は兄弟あり)、結婚してから10年目に夫婦で養子縁組をして、苗字を加藤から渡辺に変更。
夜間の製菓学校に3年通い、奥様実家の和菓子屋を継ぐ。

当時、豆大福など、つぶあんの商品が主体であったが、お客様から「日持ちのするものが欲しい」といわれ日持ちのする最中を思案するようになった。
忠臣蔵、浅野内匠頭の切腹場所が近くにあることから、切腹最中を売り出し、これが大ヒット。
そういえば、お祝いのお菓子はあるが、お詫びのお菓子はないことに気付く。
お詫びの短冊も入れているとのこと。

 最近では、「営業セット」として、お詫びと、相手会社の繁栄を願った商品、つまり、切腹最中が半分、景気上昇最中が半分のセット商品も大ヒット。
景気上昇最中は、形は小判型で、黒字転換の願いを込めて、沖縄の黒糖を使っています。更に、パッケージにもこだわり、景気上昇の赤い札を右肩上がりになるように、右斜めに入れています。

TV、雑誌などの取材を良く受けるそうで、前日もNHKの取材を受けた他、最近では、ぶらり途中下車の旅に3回、さんまのまんま、目覚ましTV他で紹介されたとのこと。もっとも大抵の場合、いつ放映されるか詳細はわからず、放映したことがわかるのは、翌日に顧客が通常より増えたり、又、直接お客様から聞くことからだそうです。
一番反響の凄いTV放映されたのは、みのさんの「今日は何の日~♪」で、討ち入りの日として、切腹最中が紹介されたこと。翌日は、店舗前に朝から長~い行列ができて大変だったそうです♪

チェーン店を出さず、身の丈程の経営をすることがモットーで、全国から催事への出店依頼があり、大江戸祭りを始め、催事には出店するものの、日常的には新橋の店舗で販売するのみだそうです。そのため、わざわざ遠方から、買いにやってきて下さるファンの方も多いそうです。出張帰りに必ず寄って下さる方も。

==> (株)新正堂サイト

さて、先に案内した、切腹最中、景気上昇最中の他にも、「出世の石段」というお菓子もあるそうで、こちらは、3月、4月にすごく売れるそうです。主に、卒業式などでPTAより購入して頂くケースが多いそうです。
なんとも、アイデア豊富。これから、どんな商品がでてくるか楽しみです。

ところで、プライベートでは、健康維持のため、ランニングをされているとのこと。


▲(株)新正堂 新橋店舗 東京都港区新橋4-27-2

東京マラソンの3月14日は、ホワイトディですが、切腹の日でもあるからと、切腹最中のハッピを着て走ったそうです。お店にもその写真がはってありました(上の顔写真左後ろ)が、この写真、プレイステーションのゲームを作っている社長さんが撮って下さったそうで、走っている様子(動画)が、2週間ネット上にも流れていたそうです。

30年前、45軒あった東京の和菓子店は、現在13軒と、和菓子業界も厳しい状況の中、息子さんが修業から帰って来て、お嬢さんも4月に結婚してお店を手伝ってくれているそうで、実に順風満帆といったところでしょうか。

今後、益々のご活躍を期待致します。

※平成20年8月1日 (株)新正堂 新橋店舗にて取材

(文責:文責:S57卒 佐宗美智代)